エンタープライズ・アジャイル変革サービス

【エンタープライズ・アジャイル変革サービスとは】
 不確定な激動のビジネス環境の中、企業は競争に打ち勝つために、イノベーションが要求され、顧客価値を速く実現する能力が求められています。アジャイルは、開発チームと顧客とのコラボレーションによって実施される反復漸進的な開発方法で、顧客価値の迅速な実現を可能とし、企業レベルのアジャイルの導入は急務となっています。既存のシステム開発方法論(ウォーターフォール)に対してエンタープライズ・アジャイルを導入していくことは大変も難しいのです。それはウォーターフォール文化とアジャイル文化が大きく違い、組織文化の大きな変革が生じるからです。組織文化の大きな変革には組織内から大きな抵抗が出、なかなか進みません。このような大きな変革にはジョン・コッターの変革リーダーシップの8段階変革プロセスの方法が非常に有効です。SI企業やユーザー企業が8段階変革プロセスを利用したエンタープライズ・アジャイル導入を実現するための支援サービスを営業戦略策定、アジャイルスキルアップ、顧客へのダイレクサポートを含めコンサルティングサービスを行います。

【エンタープライズ・アジャイル採用時の不安と悩み】

  エンタープライズ・アジャイルの導入を企画するとき、次のようなアジャイルに対する疑問や不安を抱えている企業が多く見られます。
 ・アジャイルやスクラムのついての名前ぐらいは知っているがアジャイルの価値を理解していない
 ・アジャイルは小規模の開発のみで大型案件には適していないと思っている
 ・アジャイルを大型案件にも適用したいが不安がある
 ・PMBOKⓇとアジャイルの関係がよくわからない
 ・アジャイルを採用しようとしているがどうすればよいかわからない
 ・アジャイルを社内にもっと拡げたいが困っている
 ・分散開発環境での開発には向かないと思っている(アジャイルはFace to Faceが重要-マニフェスト)
 ・開発はアウトソーシングしているのでアジャイルでは不安である
 ・アジャイルでは自己組織チームでの開発なのでプロジェクトマネジャーがいらなくなると思っている
 ・アジャイルチームは自己組織的チームで運営されるので、ガバナンスが心配である
 ・ウォーターフォールでの経験が役立たないと不安がある
 ・アジャイルでのQAの方法が分からない
 ・アジャイルとウォーターフォールの混在をどうしたらよいかわからない
 ・大規模ビジネス系開発はウォーターフォールがよいと思っている
 ・組み込み系開発はウォータフォールがよいと思っている
 ・顧客はまる投げ体質であり、説得が難しい
 ・アジャイル開発とALM(アプリケーション・ライフサイクル・マネジメント)の関係がよくわからない
 ・アジャイルとポートフォリオ・マネジメントとの関係がよくわからない
 ・現在のアジャイル開発は主にソフト開発における下流工程に焦点が当たっており、上流工程(ビジネス戦略から要求収
  集まで)からの流れがよくわからない
 ・アジャイルでの要求マネジメントの方法がわからない
 ・アジャイル・プロジェクトでのドキュメンテーションに不安がある(ドキュメントより動くソフトが重要-マニフェスト)
 ・現在一括契約なのでスコープの変更がOKだとコスト増大するのが心配である(計画より変更が重要-マニフェスト)
 ・アジャイルと自動化ツールとの関係がよくわからない(ツールより対話が重要-マニフェスト)
 ・アジャイル導入のためのスキルが分からない
 ・ウォーターフォールで築いてきた資産(ツール、方法、手続き)との整合性が不安だ
 ・コンプライアンス(ISO9001、CMMI)が心配である

【エンタープライズ・アジャイル変革サービスの内容】
 エンタープライズ・アジャイル・コンサルティング・サービスでは、エンタープライズ・アジャイル採用時に抱く不安や疑問の応えながら、研修サービスを含め次のような活動支援を行います。

1.アジャイル・プロジェクトマネジメント基礎研修
  グローバル競争が激化する中、企業は顧客価値創造によるイノベーションが求められ、顧客価値創造開発を可能にするアジャイルの重要性はますます高まってきています。このコースでは企業全体のアジャイル(エンタープライズ アジャイル)も視野に入れて、アジャイル プロジェクト マネジメントの基礎を学びます。
【学習目標】
  ・アジャイルとは何かについて基礎を理解し説明ができる
  ・アジャイルの価値を理解し説明ができる
  ・アジャイルとPMBOK® の関係を理解し説明ができる
  ・アジャイル プロジェクト マネジメントを理解し説明ができる
  ・ステークホルダーとアジャイル プロジェクト マネジャーの役割を理解し説明ができる
  ・アジャイル プロジェクト マネジャーに要求されるスキルを理解し説明ができる
  ・エンタープライズ アジャイル採用への課題を理解し説明ができる
【学習内容】
1.はじめに
  ・コースのねらい
  ・自己紹介
2.アジャイル概要
  ・アジャイルの背景
  ・アジャイルの原点
  ・アジャイルの価値
  ・アジャイルの特徴
  ・アジャイルの主な方法論
3.アジャイルとPMBOK® の関係
  ・PMIのアジャイルに関する活動歴
  ・PMBOK® 第5版とそのソフトウェア拡張版
  ・プロジェクト ライフ サイクル と アジャイル
  ワークショップ1: アジャイル と ウォーターフォールの特徴対比表作成
4.アジャイル プロジェクト マネジメント
  ・アジャイル プロジェクト マネジメントとは
  ・アジャイル プロセス
  ・ビジョニング
  ・要求開発、ユーザー ストーリー、リリース計画
  ・反復プロセス
  ・反復計画
  ・日次ミーティング
  ・進捗
  ・反復レビュー
  ・反復レトロスペクティブ
  ・アジャイルソフトウェア開発ライフサイクル
  ワークショップ2: ストーリーマップ作成
5.ステークホルダーとアジャイル プロジェクト マネジャー
  ・ステークホルダーの役割
  ・自己組織的チーム
  ・アジャイル プロジェクト マネジャーの役割
  ・アジャイル プロジェクト マネジャーに要求されるスキル
  ・アジャイル リーダーシップ
  ワークショップ3: アジャイルPMとウォーターフォールPMの役割・管理方法の違い
6.エンタープラズ アジャイル プロジェクト マネジメント
  ・エンタープライズ アジャイル プロジェクト マネジメントとは
  ・大型プロジェクトとハイブリッド
  ・分散開発環境
  ・組織文化
  ・品質マネジメント
  ・契約
  ・コンプライアンス
  ・エンタープライズ アジャイル採用
7.おわりに
  ・Q&Aと振り返り

2.エンタープライズ・アジャイル変革のための危機感の抽出
 アジャイルを導入するときに抱える課題や危機感を抽出する。
 【エンタープライズ・アジャイル変革に関する危機感や疑問例】
 ・ウォーターフォールのままでイノベーション(顧客価値の創造)を実現できるか?
 ・イノベーションを実現できなくて企業は存続できるか?
 ・エンタープライズ・アジャイルの企業にとっての価値は何か?
 ・エンタープライズ環境の中で成功するためには、アジャイルの原則をどのように進化させるか?
 ・10人以下の小規模な古典的なスクラムチームを100人、200人それ以上のプロジェクトにどのようにスケールアップさせる
  か?
 ・PMBOK®を標準としたプロジェクト・マネジメントの中にアジャイルをどのように取り込んでいくか?
 ・顧客との協調の仕方はどのように変わるのか?
 ・顧客との契約はどのように変わるのか?
 ・アジャイルでないプロジェクトとどのように連携していくのか?
 ・世界規模に分散したチームが、どのように作業を進めるのか?
 ・過去のリーダーシップや責任とアジャイル・リーダーシップの役割や責任はどのように異なるのか?
 ・アプリケーション・ライフサイクル・マネジメントでのアジャイルの位置づけはどうなるのか?
 ・PMOの役割はどのように変わるのか?
 ・品質保証、品質管理はどのように変わるのか
 ・エンタープライズ・アジャイル採用はどのような手順を踏めばよいか?


3.エンタープライズ・アジャイル変革プロジェクトの立上げとプロジェクト支援

 エンタープライズ・アジャイルを本格的に導入していくために、コッターの8段階変革プロセスをベースにした支援を行う。
【コッターの8段階変革プロセス】
 1.危機感を生み出す
 2.変革推進の連帯チームをつくる
 3.変革のビジョンと戦略を作る
 4.変革のビジョンと戦略の周知徹底する
 5.自発的に行動ができるよう支援する
 6.短期的な成果を生む
 7.成果を生かしてさらに変革をすすめる
 8.新しい方法の企業文化の定着
 
【エンタープライズ・アジャイル変革の重要成功要因】
 ・危機感を高める
   経営トップやマネジメント層に変革の必要性
 ・強力なリーダーシップを持った変革推進チームの人選
 ・明確なエンタープライズ・アジャイル導入ビジョン策定と周知徹底
 ・経営層の積極的支援
 ・変革への事前アセスメントと障害の除去
 ・パイロット・プロジェクトの適切な選定と成功
 ・粘り強く浸透させる
 ・顧客企業へのアジャイルの理解

【エンタープライズ・アジャイル変革時の検討項目】 
 ・アジャイル導入の利点と重要成功要因
 ・アジャイル導入課題の事前アセスメント
 ・アジャイル契約
 ・アジャイルチームの要求スキル
 ・アジャイル研修計画
 ・大規模アジャイル開発における考慮点
 ・分散開発
 ・品質管理
 ・ウォーターフォールとの共存
 ・アジャイルに必要な開発ツール

【エンタープライズ・アジャイル変革事前アセスメント】
1)組織レベル
 組織レベルの準備状況を評価するために、以下のような質問に応えてアセスメントします。
  ・組織は変革や創造性発揮にどの程度価値を置いているか(経営ビジョンにその内容が盛り込まれているか)
  ・プロジェクトポートフォリオマネジメントは実施できるか(プロジェクトの優先順位による選定や管理ができるか)
  ・組織はアジャイルの価値を理解しているか
  ・経営トップはアジャイルの価値を理解し、採用の協力が得られるか
  ・組織はアジャイル文化に抵抗はないか
  ・顧客はアジャイルの価値を理解しているか
  ・営業はアジャイルの価値を理解し、顧客のメリットを説明できるか
  ・顧客はパートナーとして一緒に開発に参加することができるか
  ・契約書は問題ないか
  ・組織は人事評価システムを個人評価からチーム評価に変えることができるか

2)PMOレベル
 PMOレベルの準備状況を評価するために、以下のような質問に答えてアセスメントします。
  ・アジャイルの価値とフレームワークを理解しているか
  ・プロジェクトの優先順位の決める方法があるか
  ・ウォーターフォールとアジャイルとの位置づけをガイド出来るか
  ・ウォーターフォールのプロセス、ツール、テンプレートのどの部分がアジャイルのフレームワークで使えるか
  ・アジャイルのための新しいツール、テンプレート、プロセスを開発するのにどのくらいの時間と人が必要か
  ・プロジェクト成功の評価指標や測定方法は変える必要はないか
  ・プロジェクトの報告方法は従来とどのように変わるか
  ・アジャイルに必要なスキルのトレーニングは可能か
  ・アジャイルに合うプロジェクト、ウォーターフォールに合うプロジェクト、ハイブリッドに合うプロジェクトの選定基準はあるか

3)プロジェクトマネジャーレベル
 プロジェクトマネジャーレベルの準備状況を評価するために、以下のような質問に答えてアセスメントします。
  ・アジャイルの価値とフレームワークを理解しているか
  ・計画に固執するよりは変更に価値を置くことができるか
  ・不確実性や変更が多いことに満足できるか
  ・コントロールからサポートへの役割の変化を受け入れられるか
  ・すべてのステークホルダーと必要な情報を共有するスキルと意志はあるか
  ・チームワークを推進するスキルと意志があるか
  ・アダプティブリーダーシップとサーバントリーダーシップスキルはあるか
  ・ファシリテーションスキルはあるか
  ・チームのモチベーションを高め、権限委譲し、仕事を任せる能力があるか
  ・顧客とのコラボレーションに焦点を当てることができるか

4)プロジェクトチームレベル
 プロジェクトチームレベルの準備状況を評価するために、以下のような質問に答えてアセスメントします。
  ・アジャイルの価値とフレームワークを理解しているか
  ・チーム自身で意思決定できるか
  ・個人よりチームの価値を理解しているか
  ・多能工化に抵抗はないか
  ・顧客とのコラボレーションを理解しているか
  ・対話型コミュニケーションのスキルはあるか
  ・問題解決や創造性を発揮することができるか
  ・プロジェクトの適用分野の知識やツールに関する知識やスキルがあるか

4.アジャイル固定価格契約と顧客とのネゴシエーションサービス
 現在ウォーターフォール開発をSI企業に依頼している顧客は、固定価格契約がリスクが少ないので、アジャイルの場合も固定価格契約を好み、SI企業には新たなアジャイル用の契約を嫌がるのが一般的です。そのような場合に、どのように顧客を説得して契約を受注していくかがSI企業にとって大変重要です。そのためには、顧客にとってアジャイル価値は何で、それを実現するために顧客にとってどのような契約形態が良いのかを固定価格契約の更新する方法も含めて理解してもらわなければなりません。それを実現するには、アジャイルプロジェクトを売り込む営業マンの高度のアジャイル知識、契約の知識、営業センスが要求されます。そして、アジャイルマニフェストの3番目の価値感「契約によるネゴシエーションよりも顧客との協調が大切である」が顧客にとっての意義を理解してもらう必要があります。これらの支援をアジャイルプロジェクト売り込みのための営業戦略作成、営業マンへのスキルアップ、顧客へのダイレクトサポート(営業マンとの同行サポート)を含めてコンサルティングサービスを提供します。


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