モチベーション(やる気、動機づけ)とサーバント・リーダーシップ

モチベーションとは
 人が一定の方向や目標に向かって行動し、それを維持する働きのこと

 動因(Drive) 欲しいという気持ち、欲求   人の内部
    X
 誘因(Incentive) 欲しいと思わせるもの・目標  人の外部

 モチベーションは人それぞれ(十人十色)
   モチベーション(やる気、動機付け)は人によって違うので、その人の考え方、関心ごと、性格、環境を十分に調
   べて個別に対応する

モチベーションの理論
 マズローの欲求段階説
  ・欲求とは人間に行動を起こさせる原因となり、欲求を統制する意思と動機付けの要因となる。
  ・欲求は同じ次元に存在するのではなく、欲求の種類により、次元の違いがあり、
   階層構造になっていると考えた。(欲求5段階説)
  ・低次から、生理的欲求→安全欲求→社会的欲求→自尊欲求→自己実現欲求
  ・低次の欲求が満たされていくと、より高次の欲求に移行していくもの。
 アルダファーのERG理論
  ・生存欲求   生理的欲求、安全(物質的)欲求
  ・関係欲求    社会的欲求、自尊(対人的)欲求
  ・成長欲求    自尊(自己確認的)欲求、自己実現欲求
 マクレガーのX理論Y理論
  X理論
  ・人間は生来怠け者で、強制されたり命令されなければ仕事をしない
  ・低次欲求(生理的、安全)を比較的多く持つ人間の行動モデルで、命令や強制で管理し、目標が達成出来なけ
   れば処罰といった「アメとムチ」によるマネジメント手法となる。
  ・命令と統制で人が動くという伝統的見解
  Y理論
  ・生まれながらに仕事は嫌いということはなく、条件次第で責任を受け入れ、自ら進んで責任を取ろうとする
  ・高次欲求(社会的、自尊、自己実現)を比較的多く持つ人間の行動モデルで、魅力ある目標と責任を与え続ける
   ことによって、従業員を動かしていく、「機会を与える」マネジメント手法となる。
  ・個人の目標と組織の目標の統合
 ハーズバーグの動機付け・衛生理論 
  動機付け要因(Motivator)
  ・仕事において満足を促すもの
  ・達成感、他人からの評価、仕事のやりがい、責任感、人との競争、自己の成長など
  ・高次の欲求(社会的の一部、自尊、自己実現)を満たすもの
  衛生要因(Hygiene Factors)
  ・ないと不満の原因となるが、あっても満足は与えない
  ・給与、福利厚生、快適な仕事環境、保障、会社の管理方式など
  ・低次の欲求(生理的、安全、社会的の一部)の欲求を満たすもの
 マクレランドの欲求理論
  達成動機(欲求)
  ・自身がそれを成し遂げたいという欲求から努力をする。
  ・前回よりもうまく、効率的にやりたいという欲求がある
  権力動機(欲求)
  ・他者にインパクトを与え、影響力を行使して、コントロールしたい
  親和動機(欲求)
  ・他者との交友関係を作り上げることについて積極的である
 ブルームの期待理論
  ある行動が目標を達成でき報酬がもらえるとわかれば行動する
   モチベーション=期待×道具性×誘意性
    期待  : 目標達成可能性
    道具性 : 行動の結果として何かがもたらされる
    誘意性 : 結果としてどれだけの値打ち
 外発的報酬と内発的報酬
  外発的報酬
   昇給、ボーナスなどの金銭的報酬に限らず、昇進、表彰、人からの賞賛や承認、メンバーからの受容、リーダ
   ーによる配慮なども、広い意味での報酬(reward)に含まれる
  内発的報酬
   達成感、フロー経験(楽しみ)、有能感、自己決定(自律)、自己実現、成長感など
 ピグマリオン効果
  相手に高い期待することによって、相手もその期待にこたえるようになる

モチベーター
  フォロワーのモチベーション(やる気、動機づけ)を起こさせるものは
  @仕事内容  与えられた仕事自体が好きで、自律的にできること       
  A業務目標  目的・目標が明確であること
  B自己表現  自分の考えやアイデアを生かしたり、個性を発揮したりすること
  C自己確信  与えられた課題が達成可能と自信をもつこと
  D期待     リーダーから期待され信頼があること
  E評価     能力や貢献度を正当に評価され、感謝されること
  F成長機会  挑戦の機会や学習できること
  G人間関係  円滑な人間関係や協調,交流があること
  H信頼     リーダーが信頼できること
  I報奨     優れたパフォーマンスに対して、表彰や報奨があること

 
優れたサーバントリーダーはフォロワーのやる気を引き出し、プロジェクトを成功に導きます。

  サーバントリーダーシップ特性
  1)サーバント・ファースト(Servant First)
       利他(Altruism)
  2)傾聴(Listening)
  3)共感(Empathy)
  4)癒し(Healing)
       自他の感情的な困難を癒す(Emotional Resilience)
  5)気づき(Awareness)
       自己認識(Self-awareness)、環境の理解(Social awareness)
  6)説得(Persuasion)
  7)概念化(Conceptualization)
       ビジョン・構想力(Vision and Imagination)
  8)先見(Foresight)
       問題分析力(Analytical Thinking)、戦略的視点(Strategic Perspective)
  9)スチュワードシップ(Stewardship)
       資源のマネジメント(Resource Management)、達成志向(Achievement Orientation)、責任(Responsibility)
 10)人々の成長へのコミット(Commitment to the Growth of People)
       人材育成(Developing Others)
 11)コミュニティづくり(Building Community)
       チームワークと協業(Teamwork and Cooperation)

   モチベーターとサーバントリーダーシップ特性の関係性
         フォロワーのモチベーター                            リーダーのサーバントリーダーシップ特性
  @仕事内容  その仕事が好きで、自律的にできること                    傾聴、共感、説得、成長
  A業務目標  目的・目標が明確であること                           概念化、先見、説得
  B自己表現  自分の考えやアイデアを生かしたり、個性を発揮したりすること      成長
  C自己確信  与えられた課題が達成可能と自信をもつこと                 説得、癒し
  D期待     リーダーから期待され信頼されていること                   スチュワードシップ
  E評価     能力や貢献度を正当に評価され、感謝されること              スチュワードシップ
  F成長機会  挑戦の機会や学習できること                          成長
  G人間関係  円滑な人間関係や協調,交流があること                   チームワークと協業
  H信頼     リーダーが信頼できること                            利他、気づき、傾聴、共感
  I報奨     優れたパフォーマンスに対して、報奨があること               スチュワードシップ


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