「ダニエル・ゴールマン等が提唱するEQリーダーシップ論は、「自分の感情をよく認識し、場面によって感情を管理し、他者の感情を共感的にうまく読み取り、ビジョンを示し、激励、育成、コンフリクト対処、チームワークなどの能力、つまりEQ(感情面の知性:この人なら信頼できる、この人と一緒に仕事がしたいと感じさせる人間的な能力)がリーダーシップの基盤となる」という理論である。
EQリーダーシップフレームワーク
1)自己認識
感情の自己認識
正確な自己評価
自己確信
2)自己管理
感情のコントロール
信用性
柔軟性
コミットメント
達成志向
イニシャティブ
楽観
3)社会的認識
共感
組織認識
サービス志向
4)人間関係管理
ビジョンのあるリーダーシップ
影響力
他者の育成
コミュニケーション
変革のカタリスト
対立のマネジメント
チームワークと協調
EQのプロジェクト・マネジメントへの適用効果
高いEQを持ったプロジェクト・マネジャーは、プロジェクト・マネジメントにおいて、リーダーシップを発揮し、次のような効果をもたらす。
1)メンバーを含む多くのステークホルダーとの関係強化によりプロジェクトを成功に導く。(人間関係管理)
2)破壊的感情や衝動を予知し、避けることができ、冷静な行動がとれる。(自己管理)
3)厳しいプロジェクト環境でもポジティブで明るい雰囲気に変えメンバーの高い意欲をあげることができる。(人間関係管理)
4)感情という貴重な情報を利用してより良い意思決定を行うことができる。(自己認識、自己管理、社会的認識)
5)より有効的なコミュニケーションができる。(自己認識、自己管理、社会的認識、人間関係管理)
6)難しいメンバーに対して冷静に対応することにより、協力が得られるようになる。(自己管理)
7)共有化するプロジェクト・ビジョンの作成により、プロジェクト・チームを魅力的でやりがいのある仕事に動機付けをすることができる。(人間関係管理)
EQリーダーシップ強化法
EQは訓練すれば、向上するといくことは実証されている。自分のEQ向上を手軽に行う方法として、まず、現在の自分の行動からEQ簡易自己評価表を使って自分のEQ能力を評価し、自分のEQの強み、弱みを把握する。この評価結果を基に、どの部分を強化していくか、どの部分を改善するかのEQ向上目標を作成し、目標を達成するための活動計画を立てる。EQを向上する方法には、
@EQの研修を受ける、
AEQに関する書籍やインターネット情報から学習する、
B日々のプロジェクト活動の中でEQを適用し、その状況を記録して、振り返りながらEQを向上していくなどがある。
活動計画に基づく活動結果、EQがどのくらい向上したかをEQ自己評価表により、再度自己評価しそれぞれの活動の有効性を評価し、つぎの活動計画の作成に生かし、これを繰り返す。こうすることにより、私たちはEQを効果的に向上することができる。
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